ついに憧れのモンサンミッシェルを見ることができましたヨ♪
素晴らしかったデス!!!
そしてモンサンミッシェルの歴史、それにまつわるさまざまな逸話。
どれも面白く、とても興味をかきたてられるお話ばかりでした。
モンサンミッシェルは、修道院です。
今でも10人ほどの修道士が、ここでお勤めを果たしているのだそう。今でこそ、窓には窓ガラスがはまっていますが、大昔はそんなものもなく、非常に厳しい生活環境だったのだそうです。そのため、ここの修道士は非常に短くして命を落としていたのだとか・・・。
モンサンミッシェルの歴史をざっくりとまとめてみます。
時代をさかのぼること約1300年前。
708年に司教のオーベルさんと言う人のところへ、天使ミカエルが舞い降りてきます。
↑ミカエルとオーベルさん。立っているのがミカエル。女座りになっちゃってるのがオーベルさん。
「あの場所に聖堂を建てて~」
と、ミカエルはオーベルさんにお願いするわけなんですけど、オーベルさんシカッティング。
別の日に、再びミカエルがやってきて、「聖堂造ってよ」と言うのですが、オーベルさんまたまたシカッティング。面倒だったんでしょうか。
そして、ミカエルがまたやってきます。3回目です。
・・・今度は今までと違いました。
ミカエル超ご立腹。
上記の写真は、3度目の訪問の図なのですが、よーーく見てください。
そして、親指をオーベルさんの脳天にぶっさしてます。
ミカエルの向かって左手は、今のモンサンミッシェルがある場所を指していて、「あそこに造れ」と言っているわけですね。
ちなみに、オーベルさん死んじゃったんですけど、頭蓋骨に本当に穴が開いていたのだそうデス。今でもこの頭蓋骨、どっかで見ることできるそうデスよ。穴開いているみたいです。
ホントかよ・・・
てか、オーベルさん1回目の時に造っとけばよかったのに・・・・
後悔先に立たずとはこのことです。
そんな経緯でできたモンサンミッシェル。
最初は、小さな聖堂だったんです。
でも、ご利益があるらしいという話は瞬く間に広がり、相当昔から有名な巡礼地となっていたそう。
ちなみに今でこそ周りを海に囲まれていますが、聖堂を立てる前はここはただの森だったのだそうデス。ブルターニュの森。
ミカエルがやってきて聖堂を造ろうとしただか、作った後だったかに行ってみたら、海になってたんですって!!
ホントかよ・・・・
ま、信じる信じないはアナタ次第ってことで。
そして、モンサンミッシェルの大元である聖堂が造られてから約200年後のこと。
800年後半から900年前半の出来事ですが、この時代、北の海を中心にバイキングがその勢力範囲を広げておりました。
もう悪さしまくりです。
みんな手を焼いていました。
そしてその時のフランス王シャルル3世も、例外なく困っていたわけです。
でね、シャルル3世さん、バイキングの王ロロに、直談判するわけですよ。
(ロロって、名前だけはカワイイ・・・)
暴れるの止めてくれたらさ、そこの土地あげるアルヨ
と、差し出したのがノルマンディー地方。
ロロさんは考えます。バイキングが住んでいる北の土地は、寒くて穀物の育ちも悪くあまりいい土地ではありません。一方ここノルマンディーは肥沃な土壌が広がっていて、とても豊かなところなんです。
こりゃ悪くないと考えたロロさん、この話をのみました。ウィ!
こうしてバイキング王ロロ改め、ノルマンディー公誕生です。
一気にカッコイイ響きになりました(笑)。
ロロさんが手に入れたノルマンディーの土地にあったのが、そうモンサンミッシェル。この時すでに有名な巡礼地となっていたモンサン。ロロさんをはじめとする歴代の公爵さん、王様達が大切にするわけなんですよ。ご利益あるかも知れないしね。
なので、何かあるたびに部屋を増築したりしていったというわけなんです。
ちなみに、ノルマンディー公はその勢力を拡大し、ついにロロさんの息子ギヨーム君が、イングランドを征服しちゃいます。
ギヨーム・・・
変な名前。
でも、これ英語読みすると・・・
ウィリアム。
違いすぎやんけ!!
って突っ込みたくなりますけど、まぁここにウィリアム1世誕生なわけです(征服王)。ノルマン王朝ですよ。名前はノルマンディーからもらっちゃいましたYO! お父さんが取った土地だしね。
で、こっからがややこしい。
単なるノルマンディーという地方の公爵だったのに、なんと今や兼イングランド王。
フランス王と同等です。複雑なのはノルマンディー地方を上げたフランス側。くぅー、やるんじゃなかった~!
イングランド王がノルマンディー地方を所有してますっていう構図。
予想ガイ・・・・
でもまぁ色々あって(はしょってみますw)、100年戦争ではモンサンミッシェルはフランス側の要塞として大活躍するわけです。
イングランド軍も諦めて、大砲置いて帰っちゃいました。ヲイ。
その後の歴史の中で、フィリップ2世がノルマンディーをイングランドから奪還します。その記念にまたモンサンミッシェルに部屋を増築したりもしているんです。
こうして、モコモコと成長したモンサンミッシェル。
こんな美しい修道院を他に見たことはありません。
ちなみにこの湾、かなり潮の満ち引きが早く、なんと時速5,6キロなんですって。引いている時は、結構遠くまで歩いていくことができるのですが、満ちてくると駐車場まで水の下になってしまいます。満ち引きの差は15メートル以上もあるんですってよ。
なので、毎年潮が引いているからと浮かれて歩いていってしまう観光客が、満ちてきた水に飲まれて亡くなっているのだそうです。皆さんご注意ください。
さてココは昔からの巡礼地。
巡礼地とくれば、宿やお土産屋さんが繁盛します。それも大昔から変わらないんですって。
オムレツだけで、16ユーロとかだったかな。
高すぎ。
私が行った時は、満潮時だったのでこんな写真を撮ることができました☆
海に写るモンサン。
美しい・・・。
こちらは、礼拝堂。十字架の形をしています。写真正面が、十字の長辺のさきっちょ。
この部屋は、東側を向いています。イスラエルの方角ですね。
教会に入ると方角が分かる仕組みになってます(だいたい)。
この写真、奥が明るくって手前が暗いのわかりますか? 奥はゴシック様式なんです。ゴシックは、北のゴート族のという意味だそうで、暗い北の人は光に対する憧れが大きいのですって。なので、こうして明かりを沢山取り入れるようになっているのだそうです。そして窓が多く、柱が高い。壁で支えるのではなく、柱で支えるのがゴシックの特徴。
ここは、ロマネスク調。
ロマネスクは窓が極端に少なく、壁で天井を支える様式。年をとった人はロマネスクの方がいいっていう方が多いんですって。確かに落ち着く感じはします。
窓までの距離。壁がこんなに分厚いんです。スゴイ・・・石だけで作り上げているこの部屋。
石と石をくっつける接着剤は、もちろん現代のような優れものであるはずもなく。完全に乾いてくっつくまでに18ヶ月もかかったのだそうです。
オーベルさんが造った最初の聖堂なんです。
残念ながら今は封鎖されていて見ることすらできませんが、708年という気が遠くなるほど昔に作られたものの一部が現存しているのだそう。
そしてこちらが、モンサンミッシェルの一番てっぺんにちょこんと乗っている天使の像。同じ型から作られた、実物大です。
天使の階級は9段階あるらしく、この天使は下から2番目なんですって。
日本で言ったら係長。
一番大変なポジション(笑)。天使の世界もいろいろありそうデスねw
さて長くなっちゃいましたが・・・一番見たかったのが、なんと言ってもモンサンミッシェルの夜景。
本当に素晴らしかったデス!!!
モンサンまで行って夜景を見ないのなんてありえないと思ってしまうほど。
それがこちら・・・・
う、美しい・・・
いつまでも見ていたいモンサンミッシェル。
残念ながら満ち潮でこの角度以外からは撮れませんでしたが・・・それでも美しい。
リピートする人もあとを絶たないっていうのが分かります。私も何年後かにまた来たい。
あ、今後モンサンミッシェルに来る方へ。
今はモンサンもすぐ麓までバスや自動車で来ることができますが、確か再来年?くらいからそれができなくなるそうデス。
↑今はこんな感じ。
モンサンからちょっと離れたところに現在5000台を収容できる駐車場を建設中で、それが出来上がったらバスや車は全てそこに止めて、そこから徒歩。さらにモンサンへ続く道の入り口からシャトルバスみたいなのに乗って、モンサンへ行くようになるのだそう。ということで、少々面倒になるそうデス。。。
ちなみに今年に入ってモンサンへ続く道を夜歩いていて2人車に轢かれ大怪我をしたそうデス。そしてその2人とも、日本人ですって。明かりなんて無い道路なので、本当に気をつけてください (たぶん日本人が一番多いと思います、ここw)。
将来的には、今モンサンへ続いている道路を撤去し、橋をかける予定みたいですよ。
↑この左側をずーっと走っている道路。これはモンサンから撮影しました。
そうすることで、潮の流れが変わり昔のような「島」の姿に戻ると予想されているかららしいですが。今は泥が体積してしまって、潮が引くと地続きになっちゃいますからね。
でも、果たしてそう簡単に自然が人間の思い通りになるか・・・それは、やってみないと分からないでしょうね。人間のおごり。日本のどこぞの湾のように、水を堰きとめたり開けたり・・そんな簡単なことで自然が予想しなかった方向に変わってしまうことだって多々あると思います。
新しい姿になったモンサンミッシェル、何年後になるか分かりませんが、もう一度見てみたいなって思います。
長い日記にお付き合いいただいてありがとうございました☆
モンサンミッシェル、おススメです♪